健康維持のためには、適切なスキンケアが欠かせません。なぜなら、肌は体の最大の臓器でもあるからです。

健康な肌を保つ方法を皮膚科医に聞くと、多くの人は「季節によらず日焼け止めを使用して、有害な紫外線を浴びるのを控えてください」と指導するでしょう。もちろん紫外線から肌を守ることも大切ですが、健康で若々しい肌を保ち、シミやシワ、赤み、乾燥、肌荒れを防ぐためには、ビタミンを十分に摂取することも重要です。

肌に必要なビタミンは、健康的でバランスの取れた食事のほか、スキンケア製品でも取り入れられます。また、治療目的で使用する場合には、サプリメントから摂取しても良いでしょう。

ここでは、4つの必須ビタミンについて、それぞれがどのように肌を綺麗にしてくれるのかについて紹介していきます。

 

ビタミンD

ビタミンDは、主に太陽光が皮膚に吸収されることで作られるビタミンです。コレステロールはこの過程でビタミンDに変えられて、肝臓と腎臓で吸収され、全身の細胞を作るのに役立てられています。健康的な皮膚の細胞を作るためにも必須のビタミンで、特に肌の色を決めるのに重要な役割を果たします。

ビタミンDの摂取量は、以下の方法で増やすことができます。

  • ビタミンDのサプリメントを摂取する
  • 脂肪分の多いサーモン、マグロ、サバ、タラなどの魚を摂取する
  • キノコ類を多く食べる
  • 卵黄を食事に取り入れる
  • 朝食用のシリアル、オレンジジュース、ヨーグルトなどの健康食品を食べる

サプリメントを摂取する場合は、高品質の製品を選び、医師が推奨する適切な量を摂取してください。

 

ビタミンC

ビタミンCは、皮膚の外側と内側の両方に、それぞれ高濃度で含まれています。抗酸化作用があり、コラーゲンの生成に大きく関わり、健康な肌を保つため非常に重要なビタミンです。さまざまなスキンケア製品の主要成分の1つともなっていますね。

ビタミンCは、経口摂取することで、有害な紫外線から肌を守る効果を高めることができます。また、細胞に与えるダメージを減らし、傷の回復を助けることにも効果を発揮します。

さらに、ビタミンCは体内でコラーゲンを合成するのをサポートし、老化の兆候を防ぐことにも役立ちます。また、充分にビタミンを摂取することで、乾燥肌の改善と予防にも役立ちます。傷ついた肌を回復させてくれるため、場合によってはシワを目立たなくする効果もあります。

ビタミンCは、市販の製品や栄養補助食品、日々の食事など、広く豊富に含まれているため、欠乏してしまう心配はほとんどありません。推奨される摂取量は1日あたり1,000mgです。

  • ザワークラウト、キムチ、ピクルスなどの発酵野菜
  • イチゴ、ブロッコリー、ほうれん草、赤やオレンジのピーマンなど、植物性のビタミンCを含む野菜
  • 新鮮なコールドプレスジュース
  • 医師が推奨するサプリメント

上で紹介したビタミンCを多く含む野菜や果物を食べる場合は、できるだけ生で食べましょう。加熱すると、大切な栄養素が失われてしまうことがあります。

 

ビタミンE

ビタミンEは、ビタミンCと同様に、強力な抗酸化物質です。スキンケアにおける主な働きは、日焼けを防ぐことです。特に肌に塗布することで、太陽からの有害な紫外線を吸収してくれます。結果として、シミやシワを予防に繋がります。

ビタミンEは、体内で毛穴から出る皮脂によって生成されます。適度なバランスで皮脂が分泌されることで、肌のコンディションを整え、乾燥を防いでくれます。特に乾燥肌の人は、ビタミンEが肌の水分不足を補ってくれるでしょう。加えて、ビタミンEは皮膚の炎症の改善にも役立つと言われています。

ビタミンEは多くのスキンケア製品に含まれています。ただし注意したいのは、日光にさらされるとその効果が弱まる可能性があることです。そのため、スキンケアアイテムだけでなく、食事からも十分なビタミンEを摂取することが望ましいでしょう。成人に必要なビタミンEは、1日あたり約15mgです。

以下の食品を摂取することで、ビタミンEを増やすことができます。

  • 小麦胚芽油、ひまわり油、紅花油、コーン油、大豆油などの植物性油
  • アーモンド、ピーナッツ、ヘーゼルナッツなどのナッツ類
  • ひまわりの種などの種子
  • ほうれん草、ブロッコリーなどの緑の葉野菜
  • 強化された朝食用シリアル、フルーツジュース、マーガリン、スプレッド
  • 医師の推奨するマルチビタミンまたはビタミンEサプリメント

クリームなどを使用する場合は、ビタミンEとビタミンCの両方を含む製品を使いましょう。どちらか一方のみが含まれるものよりも、紫外線から保護する効果がより強化されることが期待できます。

ビタミンK

ビタミンKは、血液の凝固を助けてくれる栄養素です。特に傷や打撲、手術後の患部を治すのには不可欠と言われています。そのほか、妊娠線や目の下のクマ、色素沈着など、特定の皮膚疾患の改善にも役立つと考えられています。

ビタミンKは、様々な皮膚用クリームに含まれています。病院では、手術を受けたばかりの患者の腫れやあざの回復のために、ビタミンKを含むクリームがよく使われています。

このように、皮膚の傷の治癒を早めてくれると考えられているビタミンKですが、その他の皮膚への影響に関する研究は、ビタミンEやビタミンCの研究ほど進んでいないのが現状です。


以下の食品を摂ることで、ビタミンKを増やすことができます。

  • ケール、ほうれん草、カブ菜、コラード、スイスチャード、マスタードグリーン、パセリ、ロメイン、グリーンリーフレタスなどの緑の葉物野菜
  • 芽キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツなどの野菜


また、上記の2種類の野菜よりは含有量が少ないものの、魚、レバー、肉、卵、穀類などからも摂取できます。


まとめ

ビタミンや必須栄養素は、体を正常に動かし健康を維持するための基礎となるものです。そのため、ビタミンが不足すると肌に悪影響が出ることがあります。特に、ビタミンCとビタミンEは、どちらも日焼けから肌を保護するという重要な役割を担っており、どちらかが不足すると、皮膚がんなどの皮膚障害のリスクも高まります。


ビタミンのサプリメントは簡単に手に入りますが、すべての製品が安全で効果的であるとは限りません。新しいサプリメントを飲み始める前に、皮膚科医などの医師に相談することが重要です。


また、ビタミンは肌の健康に欠かせない栄養素とはいえ、健康的でバランスの取れた生活を送っていれば、毎日の食事で十分な量を摂取できるはずです。もしもビタミン量が気になる場合は、専用の血液検査を受けることでビタミンが不足しているかどうかを確認することもできます。